スワップポイントの基本
スワップポイントは、取引する通貨ペアの**金利差(政策金利の差)**によって決まります。たとえば、金利が高い通貨を買い、金利が低い通貨を売ると、その差額を毎日受け取ることができます。
例:USD/JPY(2025年時点の目安)
- アメリカ(USD)の金利:約4.25〜4.50%
- 日本(JPY)の金利:約0.5%
- 差額:約+3.75〜4.0%(プラススワップ)
※ 政策金利は各国の中央銀行が定期的に変更します。最新の金利は各中央銀行の発表を確認してください。
この場合、ドルを買って円を売るとプラスのスワップポイントが得られます。一方、逆にドルを売って円を買うと、スワップポイントを支払うことになります。
スワップポイントが発生するタイミング
スワップポイントは、**ニューヨーク市場のクローズ時(日本時間の午前6時〜7時、サマータイム中は午前5時〜6時)**にポジションを保有していると発生します。
- デイトレードで日をまたがない場合はスワップポイントは発生しない
- 水曜日のクローズをまたぐと、週末分を含めた3日分のスワップが付与される(土日は市場が閉まっているため)
- 祝日がある週はさらに付与日数が増えることがある
スワップポイントの計算方法
スワップポイントは以下のような計算式で概算できます(実際にはFX会社ごとに異なります)。
1日のスワップ ≒ 取引数量 × 金利差(%) ÷ 365日
例:USD/JPYを1万通貨(約150万円分)買い、金利差が3.75%の場合
150万円 × 3.75% ÷ 365 ≒ 約154円/日
1ヶ月保有すれば約4,600円、1年では約56,000円のスワップ収益になります。ただし、これはあくまで理論値であり、実際のスワップポイントはFX会社が独自に設定しています。
スワップポイントが高い通貨ペア
高金利通貨の代表例(2025年時点の目安)
| 通貨 | 国名 | 政策金利の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| TRY | トルコリラ | 45%前後 | 金利は非常に高いが、通貨自体の下落リスクも極めて高い |
| MXN | メキシコペソ | 10%前後 | 高金利かつ比較的安定。スワップ運用で人気 |
| ZAR | 南アフリカランド | 7.5%前後 | 資源国通貨。金価格やコモディティ価格と連動しやすい |
| USD | 米ドル | 4.25〜4.50% | 先進国の中では高金利。流動性も高く安定 |
低金利通貨の代表例(2025年時点の目安)
| 通貨 | 国名 | 政策金利の目安 |
|---|---|---|
| JPY | 日本円 | 0.5% |
| CHF | スイスフラン | 0.5%前後 |
※ 政策金利は頻繁に変動します。トレード前に最新の金利を確認することをおすすめします。
高金利通貨を買い、低金利通貨を売る組み合わせ(例:MXN/JPY、USD/JPY)がスワップ運用の基本です。
スワップポイントのメリット
1. 毎日受け取れる収益
通貨を保有しているだけで、スワップポイントが毎日口座に反映されます。トレードのスキルに関係なく、ポジションを維持するだけで収益が得られる点が魅力です。
2. 中長期運用に有利
高金利通貨を長期間保有することで、安定的な収益が期待できます。毎日少額でも、1年、2年と積み重なることで大きなリターンになります。
3. 為替の含み損をスワップで相殺できる可能性
仮に為替レートが多少不利に動いても、累積したスワップポイントで損失を相殺できるケースがあります。特に長期保有ではこの効果が大きくなります。
スワップポイントの注意点とリスク
マイナススワップのリスク
金利の低い通貨を買い、金利の高い通貨を売ると、毎日スワップポイントを支払うことになります。例えば、USD/JPYの売りポジションを持つと、日本の金利が米国より低いためマイナススワップが発生します。
短期トレードなら影響は小さいですが、数週間〜数ヶ月保有すると無視できない金額になります。
為替変動リスク
スワップポイントの最大の落とし穴は、スワップ以上の為替差損が発生するリスクです。
例えば、トルコリラ円(TRY/JPY)でスワップを狙って買いポジションを持った場合:
- 年間のスワップ収益:約20万円
- しかしリラが対円で30%下落すると:元本100万円に対して30万円の為替差損
- 差し引き10万円の損失
高金利通貨は金利が高い理由がある(インフレが高い、政治的リスクがある等)ため、通貨自体の価値が下落しやすい傾向があります。
金利変動リスク
各国の政策金利は変動します。エントリー時にプラスだったスワップが、金利変更により大幅に縮小したりマイナスに転じることもあります。
2024年に日本が利上げを開始した際、USD/JPYのスワップポイントが縮小した例が記憶に新しいでしょう。
FX会社によるスワップの差
同じ通貨ペアでも、FX会社によってスワップポイントは大きく異なります。スワップ運用を重視する場合は、複数のFX会社を比較して選ぶことが重要です。
スワップポイントを活用する方法
方法1: 高金利通貨の買いを長期保有
最もシンプルな方法。MXN/JPYやUSD/JPYなどの高金利通貨ペアを買い、長期保有します。
ポイント:
- レバレッジは低めに設定する(2〜3倍が目安)
- 十分な証拠金を入れ、ロスカットされにくくする
- 一度に大きなポジションを持たず、分散してエントリーする
方法2: ドルコスト平均法的にポジションを積む
一定の間隔で少しずつポジションを追加していく方法。平均取得価格を平準化できるため、為替変動リスクを抑えられます。
例:MXN/JPYを毎月1万通貨ずつ買い増す
方法3: 為替差益とスワップの両取り
通貨強弱チャートやテクニカル分析で買いのタイミングを計り、スワップ方向と為替のトレンドが一致するときにエントリーします。
例:USD/JPYが上昇トレンドのとき → 買い(スワップもプラス)
この方法はスワップだけでなく為替差益も狙えるため、最も効率的ですが、タイミングの判断が必要です。
スワップ運用のシミュレーション
MXN/JPY(メキシコペソ円)を10万通貨保有した場合の目安(金利差9.5%、レート8.5円で概算):
| 期間 | スワップ収益の目安 |
|---|---|
| 1日 | 約221円 |
| 1ヶ月 | 約6,600円 |
| 6ヶ月 | 約40,000円 |
| 1年 | 約81,000円 |
必要証拠金(レバレッジ3倍の場合)は約28万円。為替変動リスクを考慮すると、実際のリターンはこの数字とは大きく異なる可能性があります。
スワップポイントと税金
スワップポイントで得た利益は、FXの為替差益と同様に**申告分離課税(税率20.315%)**の対象です。
- 確定申告が必要な場合がある(年間の利益が20万円超の給与所得者など)
- スワップポイントは受け取り時に課税される会社と、ポジション決済時に課税される会社がある
- 詳しくは「FXの税金」の記事を参照
まとめ
スワップポイントは、FXの魅力の一つとして注目されています。特に、安定的な収益を狙いたい方に向いています。
理解しておきたいこと:
- スワップポイントは2国間の金利差から生まれる日々の収益
- 高金利通貨(MXN、TRY、ZAR)の買い+低金利通貨(JPY)の売りが基本
- 毎日受け取れるが、為替差損がスワップを上回るリスクに注意
- レバレッジは低めに設定し、十分な証拠金で運用する
- FX会社によってスワップポイントは大きく異なるため比較が重要
- スワップ収益も課税対象。確定申告を忘れずに



























